①日本の森の健やかさを取り戻したい
日本は戦後、復興に必要な木材を確保する目的で、政府による「拡大造林政策」により人工林が増えました。その政策がなされる頃の木材自給率は9割以上でした。しかし、木材輸入が自由になり、価格の低い外国材が日本に入るにつれて、国産材の使用は急速に下がりました。現在は、使われるのにもかかわらず使われていない国産材が増えています。手入れのされていない森林は土砂災害を増やしたり、地球温暖化の加速にもつながります。
②木糸ハンカチを通して、森を身近に感じ、人と森をつなげたい
新型コロナウィルスの深刻化によってハンカチを持ち歩くことは私たちにとって当たり前になってきました。ハンカチは年齢層関係なく、誰もが身近に持ち歩けるものです。こんなハンカチを通して、人が森と関係を築き、森をより身近に考えるようになってほしいです。
③普段使うものを選択することによって、小さなことからでも森の保全に参加できることを知って欲しい
環境のためにアクションを起こすことはそこまで難しくありません。木糸ハンカチを普段から使うと言う小さな行動からも、日本の森林について考えることができて、十分に森の保全につながっていきます。
これらは、SDG’sの12番:「つくる責任、つかう責任」、そして15番:「陸の豊かさも守ろう」と関連しています。これらのメッセージを、私たちソーシャルアクションチームでは「木糸ハンカチ」と呼ばれる和紙を糸にして作られるハンカチを作成することで伝えたいと思っています。今回のコンテストでは、その木糸ハンカチのデザインを中高生の皆さんから募集します。
木糸とは?
「木糸(もくいと)」は、森林を整備している間に出てくる間伐材(スギやヒノキなど)を使用して作られます。間伐材から製作した和紙をすくことで作られる糸なのです。現在、日本で布の製作に使われている素材の原料は、ほとんど外国から輸入しているものです。一方「木糸」は、地域の間伐材を利用した和紙織物なので、国内で生産される天然資源からなります。現在の日本には手入れのされていない森林がたくさんあります。木糸を生産することは森林の間伐に直接つながるので、国内の森林状況を改善することに関わってきます。
このように深い意味のある木糸ですが、素材自体にも優れた特徴があります。
①紫外線を通しにくい
②優れた調湿性があります
③毛羽立ちの少ない繊維
また、普通の布として使用が可能なのでもちろん洗濯することもできます。
「木糸ハンカチ」デザイン募集コンテスト概要
コンテストテーマ:ポケットに森を
主催:東京学芸大学国際中等教育学校ソーシャルアクションチーム
募集期間:2021年 1月18日(月)〜2月19日(金)
募集内容
コンテストテーマに沿った木糸ハンカチのデザイン募集(テーマに沿っていればどのようなモチーフでも応募可能)
募集対象:2020年度時点で中学生または高校生だった方
申込方法:volunteer@tguiss.jpにメール宛てに、
・件名:木糸ハンカチ応募
・本文:氏名・学年・学校名・メールアドレス・希望のサイズ(ワンポイントか全体) を書き、デザインをPDF形式で添付してください。
*詳しくは以下のデザイン募集ポスターを参考にしてください
「木糸ハンカチ」デザイン募集コンテストポスター
参考資料
・「木糸(もくいと)とは」,『木糸(もくいと)とは|ハートツリー株式会社』, ハートツリー株式会社, <http://heart-tree.com/products/mokuito.html>
・「日本の森林伐採の現状と問題」, 『日本の森林伐採の現状と問題|アピステコラム』, アピステコラム, <https://www.apiste.co.jp/column/detail/id=4502>
木糸ハンカチプロジェクトとは?
東京学芸大学附属国際中等教育学校ソーシャルアクションチームでは、一般社団法人moreTreesさんと協力し、「ポケットに森を」というテーマで木糸ハンカチプロジェクトを企画しています。「木糸ハンカチ」とは、日本の国産材から作った和紙からなる木糸を布にしたものです。このプロジェクトを通して、私たちは以下の3つのメッセージを伝えていきたいと思います。